148.システム思考で課題解決

人材育成

課題を解決しようとして提案したのに、反対意見が出てくる…。気が滅入りますよね

どうして反対意見が出てくるのでしょうか?もしかしたら、提案の出し方にも課題があるのかもしれません。

こんにちは。BigWaveといいます。公立中学校の現役教頭です。奇妙な生態を持つ教師「教頭」。そんな「教頭先生」の頭の中を公開します!

→直接的思考からシステム思考へ

最近、ピーター・センゲ著「学習する組織」を読んでいます。かなり分厚くて難しい本なので、ゆっくり理解しながら休憩しつつ、時々挫折しながら読み続けています。

その中で「システム思考」と言う考え方が紹介されています。「AだからB」と言う直接的なつながりではなく、相互作用に着目した考え方です。マンガ版もあったので、そちらも読んでみました。

「学校の課題を解決しようとこちらから提案してみたものの、推進会議で反対意見が出てくる。」よくある光景です。10年前の私がまさにそうでした。提案するものの採用率は3割程度。当時はその状況に正直イライラしていました。

あれから色々勉強して試行錯誤していたのですが、今回知った「システム思考」の考え方を知って、色々考えていたことをスッと腑に落とすことができました。

  • 独りよがりの提案
  • やってみた給食報告フォームの刷新

独りよがりの提案
例えば「靴は白色」という校則があって、それを無くしたいとします。今時白一色の靴なんて探さないとありません。そもそもなぜ「白」でなくてはいけないのか?理由もよく分かりません。

なので、①真っ白い靴は見つけにくい。②白である理由が無い。という理由で提案したとします。

この提案に対し、おそらく会議では反対意見が出てきます。

お子さんのいるA先生からは「時期になればスーパーで白い靴の特設コーナーが設置されます」、年配のB先生からは「中学生としての清潔感が大事」、生徒指導担当のC先生からは「学校としての統一感を大事にしたい」、と言われそうです。

この場合、校則変更の提案で用意した①真っ白い靴は見つけにくい。②白である理由が無いという2つの理由は、全体で共有できる理由ではなかったのです。今回の提案は、自分の視点から見た独りよがりの提案になっていました。

10年前の私はこの事が分かっておらず、良かれと思って改善案を出すのですが、それは自己満足のための改善案で、本当の課題解決にはつながっていなかったのです。

ここで必要なのがシステム思考です。

「AだからB」だけで解決するのではなく、そこに関わる当事者それぞれ感じている課題を共有した上で、本当の課題を発見・共有し、当事者全員にとっての解決となるように、全体を俯瞰しながら取り組んで行く必要があります。

やってみた給食報告フォームの刷新
と言うことで、システム思考で取り組むとより良い改善ができると思うようになったのですが、本当にそうなのか、改めて実際にやってみることにしました。

本市では中学校給食が13年前に始まりました。学校から教育委員会への給食関係の報告は、その当時から現在まで、同じ様式が使われていました。

その様式が使いにくいとずっと言われ続けていて、変更の必要性を感じていました。今回、システム思考を意識しながらチャレンジできるいい機会と思い、ご指名もいただいたので、様式の刷新を試みてみました。

給食報告に関わるのは、報告する各校に加え、食数を管轄する部署給食費を管轄する部署があります。三者にとっての改善となるように、まずは意識調査です。

報告様式変更の必要性はすでに共有できています。ここではより深く、「どうなったらより良い報告様式となるか」を関係する全ての人に、アンケートに回答してもらいました。

結果を見て、たたき台となる様式案を作りました。各校の担当者とはChatで連絡できたので、様式案を共有しこまめに意見を随時もらうことができました。

私も学校現場にいるので、学校での課題は分かりやすかったのですが、給食の発注給食費の徴収に伴う業務内での規制や制約については全くイメージが湧きませんでした。

そこで学校側の意見から何度か様式案をバージョンアップさせたのち、食数管理と給食費管理の担当部署の方とも様式案を共有をしました。そして一旦いろいろ触ってもらった後で、実際にミーティングを行いました。

それぞれの担当部署から集まったメンバーで行うミーティングは、とても興味深いものになりました。そこではこちらが思いもよらなかったシステム上の制約や決裁上の制約を聞かせてもらいました。逆にこちらだ大事だと思い込んでいたことが、特に無くても良かったといったこともありました。

そういった事を様式案に詰め込んで、関係するすべての人が当事者となる形で様式の最終案を作成することができました。

システム思考を意識していなかったら、もっと現場よりの提案になっていたと思います。「学校現場にとっては改善、だけど担当部署にとっては改悪。」そうなってしまっては本末転倒です。

システム思考で取り組んだことで、今考えうる中で最良の様式になったと思っています。

各担当者からの要望全てを叶えることはできなかったので、そこはアジャイル思考で今後の改善につなげていければと考えています。

今は新しい様式を使って、まずは本校と教育委員会で運用を始めています。上手くいけば、2学期中に対象校全てで本格的な運用を開始する予定です。

さて、課題を解決しようとして提案したのに、反対意見が出てくる理由ですが、提案が一部の人にしかメリットが無かったり、提案者の独りよがりな提案になっている可能性があります。

システム思考を使った多角的な視点から対応していくことで、反対意見を出す人たちを提案を出す側に引き込むことができます。また反対意見の元となる心配事を事前に無くしておくことができます。その結果、反対意見を大きく減らすことができます。

でもだからと言って、反対意見が無くなる訳ではありません。出てきた反対意見が建設的なものであれば、より良い提案の材料にしていけばいいだけです。

一方で、生存者バイアス担「当者として責められている」と感じているなど、反対している本人にもその理由がよく分からないものもあります。また職員室が意思表明しづらい環境になっているのかもしれません。

そう感じる場合は、システム思考と並行して取り組まなくてはいけないことがありそうです。人が集まって上手いこと一緒に働くって、考えることがほんとにたくさんあります。

タイトルとURLをコピーしました