60.教頭先生へ ●着任

教頭の役割

みなさんの職場では、どれくらいの期間で管理職は異動されていますか?

私の自治体では、だいたい3年。短い時で1年、長い場合は5年以上異動しない場合もあります。

みなさんは次年度、同じ職場にいるでしょうか?

異動となると大変なのは引継ぎです。教頭としてこれまで2回移動を経験しましたが、これが本当に大変です。

こんにちは。BigWaveといいます。公立中学校の現役教頭です。奇妙な生態を持つ教師「教頭」。そんな「教頭先生」の頭の中を公開します!

  • 分からないことは分からない。

25.着任したら何をする?」でも少し触れましたが、今回は、転勤することになった先生、特に次年度から教頭先生としてキャリアをスタートさせる方にお伝えしたい内容です。

私も初めて教頭になったとき、引継ぎで全く全体像がつかめず、その業務の多さにかなり困惑しました。そして引継ぎ期間の短さに愕然としました

私がいる自治体では、引継ぎに使える期間は実質1週間程度です。

この期間に、現任校(又は教育委員会)での引継ぎと赴任校の引継ぎを同時進行で行わないといけません。

私の場合、現任校での教務の引継ぎもありました。でも同じ教務部で3年間一緒に仕事をしてきた先生に引き継ぐことになったので、そちらの方は最小限の内容で終えることができました。

1週間を引継ぎに使えるといっても、実質2回くらい赴任校に行って引継ぎをする程度です。私にとっては初めての職種なので、そもそも何を引き継いでもらったらいいのかも分かりませんでした。

業務の一覧をもらったのですが、日本語で書かれているにもかかわらず、何が書かれているのか理解できませんでした

大事だと思われることをメモしましたが、それがいつ必要なのかも分かりませんでした

私のように、教育委員会での勤務経験がない場合は、教育委員会とのやり取りもイメージできないので、分からなさが倍増です。

後から分かりますが、引継ぎで引き継いでもらえた内容は、教頭が担っている業務の一部でしかありません。後から後から、「教頭先生がされていました。」という業務が湧いて出てきます。

こんな状況で4月1日から赴任先での仕事が始まります。

電話での応対で学校名を間違えたりしながら、手探りで仕事を進めていくのですが、そんな中でも「教頭先生、○○はどこにありますか?」と聞かれます。気持ちが本当に滅入ります。

教頭1年目の1学期は、特に「分からない」「知らない」ことだらけなので、もうその現実を素直に受け入れて、「全て教えてもらう」スタンスが一番いいです。

「すみません。分かりません。誰かご存じの方いませんか?」と、清々しく振舞っていたらいいです。職場の先生方も、こっちの大変さは理解してくれています。ほとんどの方は親切に対応してくれます。

1学期に色々聞きまくって確認し行動すれば、教頭業務の全体像が分かるようになります。同時に次年度困らないようにデータ整理しておけば、1年後には年間の流れがイメージできるようになります。

人それぞれ個性ある教頭先生で良いと思うのですが、肩肘張って「教頭」を演じるのはお勧めしません。ハッキリ言って、自分も周りもしんどいです。分からないのに変にプライドが高い対応をするのもやめた方がいいです。

助けてもらえない上に、職場の人間関係も悪化していきます。

次年度、初めて教頭になられる方は、おそらく今は職場内でリーダー的役割を担っていると思います。

今の業務なら職場で一番の専門性を持っておられるでしょう。ある意味、「分からない」と言う状態が許されない立場なのかもしれません。

でも次年度の4月からは、分からないのなら「分からない。」と伝えて大丈夫です。その方が人間味を感じることができます。

教頭だから全て知っている訳ではありません。それでいいです。

教頭が、分からないことに対して「分からない」と素直に聞く姿勢は、職場内で分からないことがあれば、誰でも「分からない。」と言える風土を育てます

これが心理的安全性の向上につながります。

少し細かいことですが、「分からない」と伝える前にすることがあります。

何かを聞かれた時に、
①しっかりと傾聴する。相手の発言を遮らない
②聞いた後、少し考える。自分の経験で回答できることがないか考える。
③自分の経験では何ともならない場合は、それに対応できる専門性がある人がいないか考える。

その上で分からなければ、分からないことを聞きに来られた先生と共有して一緒に行動すればいいと思います。これを、自分が分かっていないことを教えてくれたと捉えて、自分のスキル向上の機会にもしてください。

もし先生方が「教頭先生に聞けば何でも分かる」と思って行動していたら、それは大きなリスクに繋がります。(44.人に仕事が付くリスク) 最初から崩しておきましょう。

教頭としてなるべく広い範囲をカバーしておきたいですが、同時に他の人がどんな専門性を持っているのかを確認・開拓していき、仕事を委ねていくことがとても重要だと思います。

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