時短を推進した結果、自由に使える時間が増えたとします。その時間をみなさんはどう使いますか?
ここでは持続可能な職員室に向けて、人材育成に活用する方法についてお話ししたいと思います!
こんにちは。BigWaveといいます。公立中学校の現役教頭です。奇妙な生態を持つ教師「教頭」。そんな「教頭先生」の頭の中を公開します!

- OFF-JTでピンポイント育成
教職員試験の受験者が減っています。恐ろしい話ですが、合わせて離職率も考えるともう震えが止まりません。
先生方に「ここで成長できる!」と成長実感が得られるような、そんな職員室でいられるような取り組みが欲しいところです。
そこで一つ、実際にやってみたことを紹介したいと思います。
それは「業務外トレーニング(OFF-JT)」で行う勉強会です。
「せっかく時短して時間外勤務時間を減らせたのに、それを使うって本末転倒。」と感じられた方。まさにその通り。
なので、このOFF-JTはもちろん全員参加ではありません。
例えば、「電話で家庭連絡をするときの注意点」がテーマなら、全員が参加する必要はありません。自分で「そのスキルが足りない。」と感じた人だけ参加すればいいわけです。
自己研鑽にはお金がかかる場合が多いですが、教育現場にフィットした内容はなかなかありません。ならば職員室が母体となり、現場で使える勉強会を開催できれば、Win-Winです!
例えば、「主体性って何?」というテーマを設定すれば、そのテーマに興味がある先生が集まります。
さらに興味がある人だけ集まっているので、より主体的な深い話し合いをすることができます。
誰かにファシリテーターの役をしてもらえれば、最近重要視されている授業中のファシリテートの練習にもなります。
自分が分からないことを「分からない。」と表明し、職場の仲間が学ぶ場を提供してくれれば、心理的安全性が高まります。
職場の仲間は、個人の成長を応援し、当たり前に援助する。個人もそれに応えようと、自己の成長に責任を持つ。まさに協同学習です。
それを教職員間で実践することは、授業改善にも役立ちます。
中には社会人の教養として、「物価上昇とNISA活用法」といったテーマを入れてもいいでしょう。
先生方が持つ専門性に根差した、いろいろな勉強会がいつでも受けられる職員室なら、自分の成長を実感できること間違いありません。
また参加者や講師を見ることで、職員室にいる教職員の興味や専門性についても理解を進めることができます。
この共通理解が、日常の仕事にも効果的に働きます。

と、良いことだらけのように聞こえますが、世の中そうはうまくいきません。
教頭として初めて赴任した学校では、取り組み期間が15カ月しかありませんでした。管理職が15カ月取り組んだ内容は、転勤すればすぐに無くなってしまいました。
大事なのは、どれだけ「先生方の主体性を育むか。」です。
誰かがやってくれると思っているうちは、推進者がいなくなればそれまでです。でも人材育成は管理職だけの課題ではなく、職員室全体の喫緊の課題です。
一方、学年主任→教務主任時代に取り組んだときは、やり方はもちろん理念に至るまで、4年以上の時間をかけて取り組んだことがありました。
結果、私が転勤した後もそれを受け継いだ先生方が取り組みを継続してくれました。
うまく機能するまでに、肌感覚として最低でも3年は必要だと思います。
管理職の交代のたびに「方針」に振り回されると落ち着きのない職員室になってしまいます。
先生方がちょっと俯瞰的に、ちょっと長期的に視野を広げて、今すべきことをみんなで真剣に考え行動していくことが、持続可能な職員室につながると思っています。
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