54.時短・育成に必要なもの

業務改善

職員会議を短くすることで、同時に人材育成にもつなげられます。そんな一石二鳥は都合がよすぎでしょうか?

前々回と前回で、「会議の目的を明確にする(52)」「そのためには権限の分散が必要(53)」といった話をしてきました。

でも権限を分散させたからと言って、それだけで上手くいくのでしょうか?

どうも、こんにちは。BigWaveといいます。公立中学校の現役教頭です。どこの職員室にもいる「教頭先生」。他の先生たちとは違う、奇妙な生態を持つ教師です。そんな「教頭先生」の頭の中を公開します!

  • 目的の共有と心理的安全性

結論から言うと、権限を分散させたからと言って、会議の時短と人材育成の両立ができるわけではありません。

全てが中途半端なままで、最悪の場合、会議は長くなるし人も育たない環境になってしまうかもしれません。そうならないために必要なのは、

1.権限を分散させる目的の共有
2.人材育成を実現する環境づくり

この2点です。

1.権限を分散させる目的の共有

目的は下の5点です。
①全ての人が責任を担って主体性を向上させる。
②全ての人の担当・専門を明確にする。
③1と2で互恵的相互依存関係となる。
④全ての人が成功体験を積む。
⑤全ての人の専門性を向上させる。

まずはこれらの目的を教職員全体で共有する必要があります。

昔、ベスト・キッドという空手の映画がありました。2010年にリメイクもされました。その映画に「ワックスがけ」という練習が出てきます。

車をひたすらワックスがけするように師匠に言われ、主人公は疑問を持ちながらもワックスがけを続けます。すると「ワックスがけ」のおかげで、知らないうちになんと空手の突きを払いのけることができるようになっていた!

当時は衝撃を覚え、教師になりたてのころは教科指導・クラブ指導でも、ちょっとそんな「気づけば○○ができるようになっている!」的な展開がカッコいいと本気で思っていました。

が、しかし今となってはなんと効率の悪い指導方法なんだとあきれるほどです。

授業やクラブでもそうですが、活動の意味を指導する側学ぶ側両者の両者が理解しておくことで、大きな成果につながります。

2.人材育成を実現する環境づくり

人材育成が可能な環境づくりも教職員で共有しておくと効果が大きいです。

挨拶をしない中堅職員がいるだけで職場環境は悪くなります。高圧的な管理職がいたりすると最悪です。

そんな環境では、人に何かを相談したり、分からないことを「分からない」と意思表明するのはかなり抵抗があります。人材育成が可能な環境には心理的安全性が必須です。

心理的安全性を作るために日本の組織では、「はなしやすさ・助け合い・挑戦・新奇歓迎」が必要だと以前紹介しました(32.やってみた「校則改訂編2」)。

担当者が責任を持ち、はなしやすい関係の中、お互い助け合って、必要な提案を会議までに作成する。人材育成できそうに感じませんか?

挑戦新規歓迎は、今の職員室に必須です。

新しいことにも挑戦し、広い知見と深い専門性を身に付けていく。この職場環境なら教師自身の「主体的・対話的で深い学び」「探求学習」もできそうです。

自分で書いていてなんですが、理想論もいいところです。でも夢のような目標でも、それに向けていろいろと試行錯誤して挑戦していること自体が楽しいです。

みなさんは今いる職員室をどんな職場にしていきたいですか?

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