ICT環境を整える業務が加わり、ウルトラ超繁忙期となった4月初旬。この忙しさからは逃れられないのでしょうか?
4月中旬スタートやICT専属のスタッフの常駐が理想ですが、それにはまだまだ時間がかかりそうです。
自分たちだけでもできることは何かないのでしょうか?
こんにちは。BigWaveといいます。公立中学校の現役教頭です。奇妙な生態を持つ教師「教頭」。そんな「教頭先生」の頭の中を公開します!

・時間と業務を分散
1.今の状況が問題だと捉える。
2.4月8日スタートを変える。
3.業務内容を軽減する。
4.業務を分散する。
1.今の状況が問題だと捉える。
課題発見です。今の状況が当たり前なのではなく、課題として捉えることがはじめの一歩です。改善する対象として捉えないと、考えることも行動することもできません。学校現場の外にも訴えていかないと、公助は期待できません。
2.4月8日スタートを変える。
20年前なら人材も豊富で準備内容も今より少なかったので、8日スタートでも準備が可能だったのかもしれません。
しかし今は、学校に求められている業務が広範囲になり、個別最適な対応も求められています。準備期間が平日で5日ほどと考えると、時間が全く足りません。4月の中頃からのスタートなら、一気に余裕が出てきます。
とは言え、今はまだ現実的ではないように思います。どこかの自治体が思い切って始めたら、一気に広がりそうです。
3.業務内容を軽減する。
体育大会を半日で行ったり、文化祭を展示と舞台で分散開催したりと、行事の簡素化や精選が進んでいます。始業式までに行われる行事と言えば入学式です。
準備や式開催、片付けを合わせると丸一日分くらいの業務量です。始業式までの5日間のうちの1日を使います。でもさすがに入学式を無くすことはあり得ません。卒業式に次ぐ大事な行事だと思います。
始業式までの業務内容で、何を軽減することができそうでしょうか。ここで対象になるのは、やはり会議と研修になります。
縮小できる会議や研修なら、この機会にぜひ検討したいところです。ただ年度初めの会議や研修は、足並みをそろえてスタートする最大の機会です。その1年の基礎となるものです。
4.業務を分散する。
これが一番現実的で効果的だと思います。時間と業務、2つの分散です。
まず時間の分散です。もし本当に、人事が確定する4月1日から全ての業務を始めるとなると、1日24時間働いても始業式までに準備を整えることはできないでしょう。
「新しい校長先生を4月1日に迎えて、学校経営方針を共有してから新年度の業務開始。」本来そうあるべきなのかもしれませんが、机上の空論でしかありません。実際、人事は前任の校長先生がほぼ確定させています。
それと同じように、旧年度中の春休み期間に会議を持ち、新年度からの取組みについて十分議論しておくのはどうでしょうか。
新しい校長先生がいない中、新年度の内容を決めることに違和感があるかもしれません。
でも逆に新年度に入ってから、新しい校長先生がこれまでの取組と成果を踏まえつつ、これからの取組を決めることは事実上不可能です。(前年度を考えずに、トップダウンで指示を出すことは可能かもしれません)
そうすると、新年度のスタートは4月1日ではなく、3月27日あたりに設定できます。
以上は時間の分散です。次は業務の分散です。
少し思い出してください。年度始め教頭先生が色々な業務を一手に引き受けていませんか?先生方が困った時、まず教頭先生に相談に来ていませんか?
「何か困りごとがあったら教頭先生」は頼りにされているという意味では悪くありません。でも要するに、先生方が自分の困りごとの解決方法を教頭先生に教えてもらっているだけ、と言う風に考えることもできます。
これは教頭先生に業務が集中するのと同時に、先生方の課題解決能力を育成する機会を奪っていることになります。

困りごとがあれば、まずはその業務に専門性を持つ方に相談に行き、それでも解決しない場合は教頭先生に相談に行く、というのが理想です。
全ての教職員が専門性を持ち、困っている人をお互いサポートし合う相互関係があれば、業務内でのOJTも必然的に発生します。
これには、個々の専門性を広げ深めるための校務分掌上の役割の分担と責任の分散が必要です。そして分からないことを「教えてもらいたい」と言い合える心理的安全性が必要です。
職員室がそんな環境に育つには1年では難しいです。最低でも3年は欲しいところです。毎年教職員の4分の1が交代する職場では、定着までにどれくらいかかるのかちょっとイメージできません。
ハードルが高いのは肌で感じているのですが、まずは2年でどこまでできるのか、目下挑戦中です!
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