みなさんはテストの採点をどうしていますか?
これまでの定期テストに代わって、単元テストを採用すれば、必然的にテストの回数が増えます。加えて再テストを実施すれば、再テストの実施分だけ採点も増えていきます。
これまで通りの単語テストなどの小テストも実施すれば、それだけ採点も発生することになります。
こんにちは。BigWaveといいます。公立中学校の現役教頭です。奇妙な生態を持つ教師「教頭」。そんな「教頭先生」の頭の中を公開します!

- 相互採点で主体性向上
最近は自動採点も普及し、昔に比べて採点がグッと楽になってきました。記号問題だけなら、解答用紙をスキャンするだけで、全て自動で採点してくれます。
もちろん、自動採点に全てお任せという訳ではなく、最終チェックは必要です。でも大幅な時短に繋がるので、業務改善に非常に強力なツールです。
自治体で自動採点ソフトを導入してくれているところもあります。本当にありがたいですね。
先生方の中にはまだ二の足を踏んでいる方もいると思いますが、ぜひ挑戦してみることをお勧めします。
さて、自動採点は業務改善にはとても有効なのですが、ここではあえて自動採点を使わない選択について考えてみたいと思います。
テストには大きく2種類あります。
1.学力を図るためのテスト:評価材料や進路指導の材料になる。
2.定着を図るためのテスト:既習内容がどれだけ身についているかを図る。
イメージで言うと、1はゴールで2は通過点です。入試はまさに「1.学力を図るためのテスト」になります。
みなさんが学校で行っているテストは1か2のどちらでしょうか?
私は授業を持っていた時、定期的なテストに加えて単元テストを行っていました。さらに各単元テストに2回再テストを行っていました。
1年で9単元あるとすると、単元テストと再テストで27回になります。これに3回の定期テストと5回の実力テスト、これだけで合計35回のテストをしていました。
再テストは任意でしたが、それでも4クラス×39名の規模だったので、正直1人の教師が採点できる量ではありません。
何かいい方法はないかと模索する中で、「生徒同士で採点してもらえばいいのでは?」と考えるようになりました。
そこで、「1.学力を図るためのテスト」については、公平性を担保するために採点は教師がしました。そしてそれ以外の「2.定着を図るためのテスト」は生徒に採点を委ねました。
単元テストを「定期テストに至るまでの過程」と捉え、2~3回の単元テストの後に、まとめとして定期テストをする形をとりました。
1回目の単元テストは全員対象で、採点は相互採点にしました。友達のテストの採点をするということは、自分のテスト以上に緊張するようです。英語はスペルの確認もあるので、かなり集中して採点します。
ここで1コマの間に、「テストを受ける」と「テストを採点する」の2回、テストに向き合う時間が確保されます。生徒から採点基準についての質問も出てくるようになりました。
再テストについては任意とし、こちらは自己採点にしました。ちなみに単元テストは初見の問題ですが、再テストは全く同じ問題を使いました。
単元テストの得点はそのまま成績に入れませんでした。受けたら5点、80点を超えたら7点、90点を超えたら8点を成績に加点する形にしました。もちろん生徒にも伝えていました。
任意なので受けない子もいるのですが、80点越えを目指す子はもちろん、90点以上取っているのに100点を目指して頑張る子など、見ていて誇らしい姿を見ることができました。
再テストを毎回受けると、かなりの期間がテスト前&テスト中になるので、いつも勉強することになります。これで勉強の習慣がついてくれれば最高です。
定期テストはテスト範囲が広くなりますが、単元テストなら範囲はその単元だけです。グッと勉強しやすくなります。生徒の負担感は軽減されます。
それを積み重ねて、最後に定期テストに挑むことになります。必然的に計画的な勉強に繋がります。
「テストの採点は教師がしなければならない。」と思い込んでいました。でも生徒に委ねることで、生徒の主体性や自己管理能力が育つ機会になるのではと思っています。

生徒同士の相互採点は、協同学習で強調されている「自他の学びへの責任」や「互恵的な相互依存性」を知ったのがキッカケでした。
これからますます生徒の主体性が重要視される中、教師の当り前が足枷にならないようunlearnしていきたいですね。
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