教頭の役割の一つに人材育成があります。その中でもまずは「授業力向上」。教えるプロとして、先生方には専門性を高めてもらいたい分野です。
でも、中学校での授業指導は教科指導ともつながってきます。専門性が高い分野になるので、「授業を見たあとのアドバイスが難しい。」そう感じたことはありませんか
こんにちは。BigWaveといいます。公立中学校の現役教頭です。奇妙な生態を持つ教師「教頭」。そんな「教頭先生」の頭の中を公開します!

- まずは傾聴から。
私はもともと英語科ですので、英語の授業を見るのにあまり抵抗はありませんでした。
細かい文法の導入方法やスピーキングの指導方法など、自分自身の経験に照らして色々な角度から助言できそうだからです。
でもこれが国語なら?理科なら?残念ながら英語と同じような細かな助言はできません。
そんな心配もあってか、教頭1年目は、なかなか授業見学に行く気になれませんでした。
そんな時にふと、昔校長先生に授業評価をされたことを思い出しました。
その時は授業を見に来たことがないのに授業の評価をする校長先生に憤りを感じ、評価面談の時に生意気にも「校長先生には授業を見てもらったことはありません。」とお伝えしたことがありました。
まさに同じことをしている自分。その時の校長先生の悩みも少し理解できました。
と言うことで、さっそく先生方全員の授業を見に行こうと決めました。
でも専門的なアドバイスができないのはどうしようもありません。みなさんはどうやって授業への助言をされていますか?
考えた末、結局専門的なアドバイスはあきらめました。取り繕った助言をしても不信感が増すだけです。
その代わり、少し前からコーチングの本を読んでいたので、使えそうだなと思った方法を取り入れることにしました。具体的な流れは下の通りです。
ステップ1
感謝する。授業を見られるのは緊張することなので、まずは「ありがとう!」と伝える。
ステップ2
今日の授業は100点満点中何点だったか聞く。授業の出来は、自分自身が一番よく分かっているはずです。
ステップ3
上手く言った部分について教えてもらう。ここが一番楽しそうに話してくれます。
ステップ4
100点に届かなかった分について教えてもらう。上手くいったことの後に聞くと、上手く振り返ることができます。
ステップ5
これからどんなことにチャレンジしていきたいかを聞く。ここでしっかりと考えてもらい、次回のチャレンジにつなげられれば言うことありません。
全体を通して大事なのは、基本的にひたすら話を聴くと言うことです。助言したくなるタイミングもあるのですが、そこはグッと我慢が必要です。
先生方にとって、自分自身のチャレンジを誰かに話をするのは、自分の考えをまとめるためにも、より深い人間関係を築くためにも必要なことです。
自分自身で課題を発見したのなら、それを解決しようと主体的に動いてくれます。
授業での活動が上手くいけば、それはもちろん素晴らしいことなのですが、そこに行きつく過程を見ることができるのは、管理職ならではの楽しみです。

先生たちの方からアドバイスを求められれば、私のこれまでの経験から助言することもありますが、基本的には傾聴し続けます。しっかりと聴き続けると、思った以上に先生方は多くのことを話してくれます。
コーチングについては、今年度、教育委員会主催でしっかり学べる機会を用意してくれました。ありがたい話です。
さらに深くコーチングを理解することで、授業への助言(?)も自信を持ってできるようになりたいです。
この夏の学びをぜひ2学期に生かしていきたいです。
コメント