みなさんが考える「できる教師」ってどんな教師ですか?
授業で生徒の主体性を引き出す人?それとも生徒指導で生徒の本音を引き出せる人でしょうか?
今回はちょっと違った角度から、「できる教師」について考えてみたいと思います。
こんにちは。BigWaveといいます。公立中学校の現役教頭です。奇妙な生態を持つ教師「教頭」。そんな「教頭先生」の頭の中を公開します!

- 「時間外勤務」ありきの業務形態
- ステレオタイプの「できる教師像」
「学年主任をしていて、授業を週20コマ持ち、生徒指導でも後進の育成を兼ねてサポート役を担う。そして部活動では中体連の役員。」
そんな先生がいたら、ほとんどの人から「できる教師だ!」と思われるでしょう。
そんな「できる教師」ばかりの学校があったとして、その学校はいい学校になるのでしょうか?みなさんはどう思いますか?
自分一人だけで1学年全クラスの授業を受け持っているのなら、授業準備はまだしやすいです。でも学年が渡っていたり、TTや分割授業をしていると、相方の先生とのミーティングも頻繁に持つ必要があります。
週に20コマ授業をするということは、空き時間はだいたい10コマ。この10コマは毎日のルーティーンで使い切ってしまいます。
加えて出張、生徒指導、経験が浅い先生のフォロー、定例の取組み(生徒委員会やPTA活動など)等‥、毎日のルーティーン外の業務もたくさんあります。
時間は全く足りません。では「できる教師」はどうしているのかと言うと、時間外に業務を行っています。
これは日本全国どこに行っても、同じ状況なのではないでしょうか。
学校の業務とされていることを行うには、慢性的に時間が足りない状態です。現場にいる方なら、みんな実感していると思います。
それをこなすために、どこの学校にも勤務時間外に働いている先生方がいます。
現在の学校は「時間外に働いてくれる先生」がいて初めて成り立つ業務形態になっています。
文科省が掲げる週45時間以下の時間外勤務を実現するには、業務量を大幅に削減するか、人を大幅に増やすしかありません。でもそれが実現するには、さらに多くの時間がかかるでしょう。
もう一つ大きな課題があります。それは「時間外勤務」をして成果や結果につなげている先生が「できる教師」だと捉えられていることです。
それも保護者・地域からだけではなく、教師側からもです。
そもそも時間外勤務をしないと仕事が終わらないので、より成果につなげていくには単純に「さらに多くの時間外勤務を行う。」必要があります。
「成果がでる。」=「時間外勤務を多くしている。」になりがちです。

大阪府の評価制度には「能力評価」と「業績評価」の2点があります。「時間外勤務」はこのうちの「業績評価」に及ぼす影響が非常に大きいです。
最悪、「時間外勤務の推奨」になりかねません。まして評価制度の結果が賞与に反映されるならなおさらです。
最近、「ステルス残業」と言う言葉を耳にしました。「サービス残業」は会社が社員に行わせるものですが、「ステスル残業」は社員が自分の評価を上げるために自ら行う残業なんだそうです。
働き方改革と評価制度を上手く統合していかないと、学校に「ステルス残業」が浸透していくことになります。
さて話は戻って、どんな教師が「できる教師」なのでしょうか?
同じ職場で働く教職員のステレオタイプ的な「できる教師像」はどうすれば壊すことができるのでしょうか?これがなかなか難しい…。
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