校則改訂に向けて、チャレンジしたことはありますか?最近話題のブラック校則。まだまだ至る所に残っていると感じます。
その校則を改訂するにはどうすればいいのでしょうか。実際にやってみました。その1です。
こんにちは。BigWaveといいます。公立中学校の現役教頭です。奇妙な生態を持つ教師「教頭」。そんな「教頭先生」の頭の中を公開します!

- まずはやってみる。
以前勤務していた学校に、「廊下を歩く時はセーター禁止」という校則がありました。
「教室外では身だしなみを整える。なので教室外ではセーターを脱ぐか上に制服を着る。」といったロジックです。
「校則」として明記されているわけではないのですが、指導内容として堅守されていました。そのルールに特に必要性を感じなかったので、このルールを無くそうと思いました。2018年頃のお話です。
でも単に「無くします。」はさすがに強引だと思ったので、校長先生に相談して「検討委員会」を立ち上げました。
校務分掌に記載のない内容を検討する時に、この「○○委員会」を使うことがあります。コロナ禍でも「コロナ対策委員会」を立ち上げた学校は多いかと思います。
基本的に、管理職や教務主任、その検討事項に必要な専門性を持った人(生徒指導主事や養護教諭など)がメンバーに加わります。
しかし、その中に入るメンバーは他の委員会でも引っ張りだこです。負担感を感じる方もでてきます。
また、思っていることがあってもメンバーでないと会議に入って意見が言えないといったことも起こります。
なのでこの「校則検討委員会」は誰でも参加可能にしました。カッコよく言えば、プロジェクトチームの発足です。
メンバーは随時募集し、検討会を3回持ちました。参加メンバーは毎回同じ3名でした。
校長先生にも結果を報告し、「廊下を歩く時はセーター禁止」ルールは撤廃することになりました。後は職員会議で全体共有するだけとなりました。
驚きの展開が起こったのは次の職員会議でした。

予定通り「撤廃」の報告をしたのですが、それに「待った。」がかかりました。理由は「年度途中の変更は混乱する。」ということでした。
そしてなぜかその反対意見が「暗黙の了解の雰囲気」を勝ち取り、この改定のチャレンジは失敗に終わりました。
「誰でも参加して発言OK」にすれば、みんなが思っていることを発言してくれると考えていました。みんなが思っていることを共有することで、上手く課題をクリアできると思っていました。
でも、そんなに甘くなかったです。職員室には「思うことはあっても主体的に発言しない人」がいるのです。「参加自由でも参加しない人」がいるのです。
この失敗からは学ぶことがたくさんありました。
生徒指導の方針として、「指導をやりきる。」ことは重要視されています。そのことへの配慮や共通理解が足りませんでした。また、
・意見を言いやすい雰囲気がないと、思うことはあっても意見を言えない。
・変わることに対して抵抗がある人がいる。
・やりたいと思っても、多忙感に圧迫されて動けない人がいる。
自分たちがしたいことを実現するには、もっと視野を広く持って、多くの人の意見を取り入れられる環境作りから始めないといけないなと痛感しました。
今回のチャレンジは失敗しましたが、これらの経験をもとに、次のチャレンジに挑みました。その話はまた今度。
今では校則改訂と言えば生徒の主体性を発揮できる絶好の機会です。ただ生徒に預ける以前に、教職員の足並みをそろえていく必要があります。
その壁を乗り越えるには、一度腹を割って話し合いをする以外に方法はありません。
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