135.ICT化の弊害

マインドセット

最近困ったことが起こり始めています。

業務の軽減に効果絶大なICTですが、負の側面ももちろんあります。特に、過渡期だからこそ起こる業務の発生に、なんかモヤモヤしてしまいます。

こんにちは。BigWaveといいます。公立中学校の現役教頭です。奇妙な生態を持つ教師「教頭」。BigWaveのアジトはそんな「教頭先生」の頭の中を公開する教頭ブログです。 

→業務改善が業務を増加させる

新しい学校に来て早1か月半。突発的な業務にも対応しながら、何とか自分がやりたいこともねじ込んで、楽しく仕事をしています。

中でもICTを活用した業務改善は、メリットをみんなで実感できる成果が早速出てきて、良い感じです。

人材不足という課題はあるものの、ICT化を推進できる環境を整備してもらっていることに、とても感謝しています。

ここ数年でそんな環境整備が一気に進みましたが、同時に???なことも起こり始めていました。

以前、自治体が行うイベントなどは、生徒数分のチラシが学校に届けられていました。それを各クラスのBOXに振り分けて入れておくのが業務でした。スクールサポーターさんがいる学校では、その業務を全てお願いしていました。

ところが、保護者への連絡アプリが浸透するにつれて、これまで紙媒体で配っていたのに、そのデータが教頭に届くものが出てきました。

これまで行政側としては、イベント告知のデータを作成した後、データを印刷業者に渡す納期を確認する。出来上がった印刷物を受け取る。学校別に仕分けする。運搬するといった業務を行っていたと思います。

これを学校の連絡アプリを使えば、データ作成後にそれを学校に送信するだけになります。そして何より、印刷費を0円にすることができます。

大幅な業務改善と予算削減を同時に達成できることになります。ICT化の恩恵を最大限に享受できるという訳です。

しかしこれは学校側の業務を増やすことになります。

連絡アプリは確かに便利です。しかし世の中にはいろんな家庭があります。保護者の考えで連絡アプリを入れない選択をしている場合もあります。言葉の壁があり、連絡アプリが十分機能していない場合もあります。

これまで教頭として4校で勤務しましたが、連絡アプリの登録率が100%の学校はありませんでした。どの学校も全家庭登録を目指して、根気強く家庭連絡をしているのですが、100%にはなっていません。

連絡事項の完全な電子化は、まだまだ過渡期と言ったところです。

連絡アプリに登録していない家庭がある以上、結局紙媒体での配付も必要になります。連絡アプリでの配信紙媒体での配付、どちらもすることになります。

行政側の大幅な業務と予算の削減の結果、学校側では業務が増加するのです。ピーター・センゲ著の「学習する組織」にある「システム思考」とは、こういう事なのかと実感しています。

このようなICT化に伴う業務のしわ寄せは、教頭会でも検討課題になっています。

学校としてもICT化に全振りすることで、同じような業務軽減と予算軽減の恩恵にあずかりたいのですが、大きく一歩踏み出せない理由はここにあります。

先日、自治体規模のPTA総会の案内が教頭宛にメールで届きました。

これまで総会の冊子を製本して配っていたそうなのですが、今年度からはデータを学校に送信するので、印刷して参加者に配ってほしいとのことでした。

自分の業務改善はもちろん大事なのですが、それが全体としてどういった影響を与えるのか?より俯瞰的に全体を見る必要があるなと感じる今日この頃です。

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