46.なぜ職員会議を短くできないのか?

思い込み

労働時間が恐ろしく長い学校現場。その象徴と言っていいのが、長時間にわたる職員会議です。

最近、職員会議を1時間でできるようになった職員室が増えてきています。みなさんの職場はどうでしょうか?

「思いは強いけど、なかなか職員会議を短くできない。」そんな職場もまだまだありそうです。これってなぜなのでしょうか?みんなもっと良い働き方を求めているのは間違いないのに。

こんにちは。BigWaveといいます。公立中学校の現役教頭です。奇妙な生態を持つ教師「教頭」。そんな「教頭先生」の頭の中を公開します!

  • 話がかみ合っていないことに気付く。

みなさんの学校では、職員会議にどれくらい時間がかかりますか?平日に職員会議をするとなると、時間措置をしても1時間半が限界ではないでしょうか。

勤務時間内に会議が終わらず、あと1時間は必要と言う場合、みなさんの学校ではどうしていますか?

ほとんどの学校は勤務時間を過ぎても、議題が全て終わるまで会議を行っているのではないでしょうか。昔は3時間コースも珍しくありませんでした。

一方、勤務時間で会議をいったん打ち切って、別日に続きを行う学校があるかもしれません。職員会議の前に行われる企画会議などで、時間の調整を行えば、十分可能です。これなら時間外勤務が発生しません。

ただ、「別日に行う」「終わるまでやりきる」のも会議の合計時間はさほど変わりません。

これは「時間の調整」しか考えていないからです。2時間かかるものを1時間で収めようと考えれば、方法は「分割して2回する」しかありません。

でもそもそも「2時間かけない。」と言うところを起点にすれば、いろいろな可能性が出てきます。この起点に立つには教師が持ちがちな「職員会議に対する思い込み」を崩す必要があります。

一昔前、「教職員全員で提案事項を確認し、吟味し、協議して賛同を得る。」ことが重要だと考えられていました。もちろん、今でもそう思っている方がいます。

職員会議で意見交流が行われ、GOサインをもらう。それが良いことだと考えられていました。その結果、職員会議の時間は伸びる一方でした。

これが「当たり前」になっていると、会議が1時間以内で終わることはありません。この「当たり前」を崩す必要があります。ここに大きな分岐点があります。

この「職員会議での全員合意」を崩そうとすると、「みんなで議論しないと、足並みをそろえて取り組めない。」といった反対意見が出てきます。

他にも「大事なことは読み上げないといけない。」と言った意見も出てくるかもしれません。

これらの価値観を維持しながら、職員会議を1時間で終わらせることはできません。

職員会議を1時間で終わらせるには、この価値観の再検討から始める必要があります。この価値観が無意識に重要視されているバイアスになっています。

これを議論のテーブルに乗せないと、土台が違うので議論がかみ合わず、話がずっと平行線になってしまいます。

例えば、現在行われている職員会議の様子をじっくり観察し、課題を洗い出してみるのはどうでしょうか?

議論に参加すれば主体性は上がります。でも現行の職員会議での議論で、その効果は期待できるでしょうか?主体性が高まる議論ってどんな形がいいのでしょうか?

「令和の日本型学校教育」の模索は、そのまま「令和の職員室」の模索になります。将来の大人に必要な能力は、もちろん現在の大人にも必要な能力です。

今の職員室に無意識に浸透しているバイアス・思い込みを掘り出し再検討することで、職員会議を1時間で終えるための出発点に立つことができます。

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