45.世代交代まで待ってられない

職員室での働き方

経験豊富な先生方が学校を回してくれていると、学校はうまく回っていきます。上手く回っているということに、気づくことも無くなっていきます

でも同時に、隠れた問題が膨らんでいきます。その問題を解決していくには、学校現場の苦しい職場環境下でも、取組んでいかないといけないことがあります。

こんにちは。BigWaveといいます。公立中学校の現役教頭です。奇妙な生態を持つ教師「教頭」。そんな「教頭先生」の頭の中を公開します!

  • 「この人が適任!」は自分たちの首を絞めていく。

私がいる自治体では、年度末に教職員の人事が決まります。市教委から人事異動の内示があった後、人事委員会や新年度計画委員会の中で、次年度の体制を決めていきます。

その時によく出てくるのが、「○○のポジションは△△先生じゃないとダメだ。」とか「担任を持てる人材が足りない!」と言ったことです。

これは現状の能力を基準にポジションを決めていく発想です。理想的な能力を持っている人がそのポジションに就くのなら、その年は安泰です

でも5年後はどうでしょうか?

毎年、人材とポジションのベストマッチを積み重ねたとして、5年後の戦力はどうなっているでしょうか?

結果は、「何も変わらない。」です。それどころか、転勤などにより人材は減っていくことになります。「代わりに転勤してきた人材に頼るしかないのに、来たのは新卒の講師の先生。」と言うのはよくあることです。

この「ベストな人材をベストなポジションへ」の方法には、人材育成という観点が抜け落ちています今世代の人材がいる間に、次世代の人材を育成しておかないと、一気に断崖絶壁に落ちてしまいます。「担任を持てる人材が足りない」問題発生です。

確かに能力や経験が豊富な人材に役割を担ってもらうと安心です。その方が仕事が早いクオリティも高いです。時短にもつながるでしょう。

でも裏を返せば、他の人が成長するチャンスを奪っているということです。

学校現場でも、次世代に向けた人材育成が急務です。「職場としてOJT(業務内トレーニング)が推進され、自分たちで人材を育成していく。」というマインドセットが必要です。

今後夢がかなって、指導要領や教職員定数が見直されて教職員数が増えたとしたら、人材育成のマインドセットがない職場は混乱しかありません

具体的には、全員担任制などが効果が大きいと思います。全員担任制は業務軽減として話されがちですが、「人材育成」「足並みをそろえた指導体制」に効果があると思っています。

校務分掌でも、今世代の担当者が転勤する前に、あえて次世代を担う先生に分掌の長になってもらい、1年かけて新旧の分掌長で引継ぎとノウハウの継承を行うのが理想です。

ほとんど引継ぎがなく、分からないことだらけの中、4月1日から前任者と同じような動きを期待され、適切なアドバイスをくれる人もいない状況は、地獄でしかありません

10年後も持続し続ける職員室になるための「適材適所」って、どんな意味なのでしょうか。世代交代はではなくで取り組んでいく必要があります。

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