21 やってみた「OFF-JT」

やってみた

時短を推進した結果、自由に使える時間が増えたとします。その時間をみなさんはどう使いますか?

ここでは持続可能な職員室に向けて、人材育成に活用する方法についてお話ししたいと思います!

こんにちは。BigWaveといいます。公立中学校の現役教頭です。奇妙な生態を持つ教師「教頭」。そんな「教頭先生」の頭の中を公開します!

  • OFF-JTでピンポイント育成

教職員試験の受験者が減っています。恐ろしい話ですが、合わせて離職率も考えるともう震えが止まりません。先生方に「ここで成長できる!」と成長実感が得られるような、そんな職員室でいられるような取り組みが欲しいところです。

そこで一つ、実際にやってみたことを紹介したいと思います。それは「業務外トレーニング(OFF-JT)」で行う勉強会です。

「せっかく時短して時間外勤務時間を減らせたのに、それを使うって本末転倒。」と感じられた方。まさにその通り。なので、このOFF-JTはもちろん全員参加ではありません。

例えば、「電話で家庭連絡をするときの注意点」がテーマなら、全員が参加する必要はありません。自分で「そのスキルが足りない。」と感じた人だけ参加すればいいわけです。

自己研鑽にはお金がかかる場合が多いですが、教育現場にフィットした内容はなかなかありません。ならば職員室が母体となり、現場で使える勉強会を開催できれば、Win-Winです!

例えば、「主体性って何?」というテーマを設定すれば、そのテーマに興味がある先生が集まります。さらに興味がある人だけ集まっているので、より主体的な深い話し合いをすることができます。

ラーニングピラミッドでは、単に講義を聴いているだけ(5%)よりもグループ討論をしたほうが10倍理解が進む(50%)とされています。そして何より、教える側になれば自分自身の学びの効果が最大限になる(90%)とされています。

自分が専門性を高めてい行きたい分野について、学びたい方の協力を得て業務外トレーニングで講座を行えば、自分の専門性も上がるし、参加してもらった方の視野も広がります。

教える側になれば、最近重要視されている授業中のファシリテートの練習にもなります。今行っている授業展開から一旦解放されて、ゼロベースで参加者の理解を進める手立てを考えるので、授業のアンラーンをすることができます。

自分が分からないことを「分からない。」と表明し、職場の仲間が学ぶ場を提供してくれれば、心理的安全性も高まります

職場の仲間は、個人の成長を応援し当たり前に援助する。個人もそれに応えようと、自己の成長に責任を持つ。まさに協同学習です。それを教職員間で実践することは、授業改善にも役立ちます

先生方が持つ専門性に根差した、いろいろな勉強会がいつでも受けられる職員室なら、自分の成長を実感できること間違いありません。

また講座を通して、職員室にいるメンバー間でお互いの興味や専門性についても理解を進めることができます。

この共通理解が、日常の仕事にも効果的に働きます。

と、良いことだらけのように聞こえますが、世の中そうはうまくいきません

教頭として初めて赴任した学校では、取り組み期間が15カ月しかありませんでした。教頭が15カ月取り組んだ内容ですが、転勤した後に無くなってしまいました

たとえメリットがある取組みでも、推進者発信のままだとすぐに形骸化していきます。大事なのはどれだけ「みんなの主体性を育むか。」です。

誰かがやってくれると思っているうちは、推進者がいなくなればそれまでです。業務外トレーニングといった個別の取組もそうですが、そもそもの人材育成も行われなくなります。

でも人材育成は管理職だけの課題ではなく、職員室全体の喫緊の課題です。

一方、学年主任→教務主任時代に「業務外トレーニング」に取り組んだときは、4年以上の時間をかけて取り組めました。

結果、私が転勤した後一旦無くなったそうですが、その後再び必要性を感じて再開されたと聞いています。うまく機能するまでに、肌感覚として最低でも3年は必要だと思います。

先生方がちょっと俯瞰的に、ちょっと長期的に視野を広げて職場内での人材育成に取り組めば、持続可能な職員室につながると思っています。

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