81.万博に行って気づいたこと

教師のマインドセット

万博に行ってきました!色々大変でしたが、結果的には大きな事故もなく無事終えることができました。ホッと一安心です。

実際に行ってみて、気づいたことがあります。「未来を見る子どもたちの目がキラキラしていた。」とか「子どもたちに未来の種を植えることができた。」といった類の気づきではありません。

こんにちは。BigWaveといいます。公立中学校の現役教頭です。奇妙な生態を持つ教師「教頭」。そんな「教頭先生」の頭の中を公開します!

  • 教師が心配するほど、世の中は気にかけていない?

今回の校外学習ですが、場所は万博、参加したのは全校生徒でした。最高気温は24℃でしたが、少し曇気味で助かりました。

事前の準備と当日の行程を通して一番気になったのは、「不確定要素が多すぎる」と言うことでした。

100名ほどの生徒の引率なら、教員は10名程度です。

支援但は支援籍の生徒に同行しますし、養護教諭は体調不良の生徒対応に専念するので、全体に関われるのは多くて8名ほどです。

もしケンカや迷子など突発的なことがあると、教師がその対応に回るので、全体を見る教員が一人ずつ減っていきます。それでも安全が確保できるように、事前準備に最善を尽くします

そういった教師としての当り前が、今回の万博では大きく覆されました。

乗車する電車は決まっていましたが、何時に万博のゲートを通過できるのか、どこでお弁当が食べられるのか、迷子になった時の対応はどうなるのかが分かりませんでした。

また全体で集合・整列できるのはどこか、予定の電車に全員で乗ることはできるのか等…。事前に確認したくても担当者も分からない「不明」なことが多すぎました

当日は「現場で情報を集約→すぐに決定→情報共有」これの連続でした。

体力に上限があるように、意思決定力にも上限があるそうですが、それを痛感しました。9時間ほどの行程でしたが、2泊3日の宿泊行事並みに疲れました。

教師間で情報共有した後は、先生たちが生徒に伝える番です。

拡声器は持ち込み禁止です。周りに多くの人が行き交う、だだっ広いオープンスペースで、声が反響せず抜けていく中、指示をするのはいつも以上に気力と体力を使っただろうと思います。

校外学習や宿泊行事では、できるだけ不確定要素を取り除くために、下見で細かなところまで確認します。例えば、「14:00に○○の横のスペースでクラスごとに班体形で整列する。」とか「○○で待機してトイレ休憩を15分とる。」などです。

それはその場での判断・臨機応変な対応を極力無くすためです。また事前に行程を確定しておくと、人員的にも時間的にも余裕が生まれます。これが緊急事態に即座に対応できる態勢になります。

そう考えて、十分準備をしておきたかったのですが、今回の万博への校外学習は、そんな自分の中の常識が通用しませんでした。準備を進めれば進めるほど、不明な点が明確になり不安要素が増えていきました。

修学旅行での宿泊先のホテルなどは、「〇時~〇時までは浴場を生徒専用にします。」とか「水筒にお茶を補充しますので、〇時までに水筒を〇〇まで持ってきてください。」など、教師と同じ目線かそれ以上の解像度で、現地スタッフが準備・対応をしてくれます。

一方の万博では、下見の時に会場で確認しても、駅員さんに聞いても、電話で窓口問い合わせても、「~だと思います。」と言う返答が本当に多かったです。

100人を超える団体が移動することをイメージするのは容易ではありません。万博のスタッフもそんな団体旅行の対応をしたことがある方はごく少数だと思うので、仕方がないのかもしれません。

ただその結果、不確定な部分は当日現地で確認して判断 → 教師間で共有 → そして生徒との共有が必要になりました。変更に伴う全てのステップでリスクが増大します。

今後、多くの子どもたちを受け入れることで、マニュアルが改訂され、駅員さんや万博のスタッフの対応力も上がるはずです。そういう意味では、開幕直後は一番カオスなタイミングだったのかもしれません。

先に万博に行った学校からいただいた、「大屋根リングの柱に書かれている番号で、58番や57番が東口ゲートに一番近い」と言う教師目線の情報はとても役に立ちました。また、「現場で情報を集約・決定→情報共有」ではGoogleのChatが大活躍しました。

そういった情報やツールもさることながら、今回無事帰ってこられたのは、先生方の努力と子どもたちの頑張りがあったからです。

子どもたちは、こちらが想定していた以上の力を発揮してくれました。それが子どもたちの本当の力なのかもしれません。それを目の当たりできたのは、今回の校外学習の大きな収穫でした。

コメント

タイトルとURLをコピーしました