これまで一緒に働いた同僚のなかで2人だけ、毎日通信を書く先生がいました。
毎日ですよ。信じられます?年間で200号を超える勢いです。対抗意識をそぎ落とされましたが、私も年間100号めざして頑張っていました。
どうも、こんにちは。BigWaveといいます。公立中学校の現役教頭です。どこの職員室にもいる「教頭先生」。他の先生たちとは違う、奇妙な生態を持つ教師です。そんな「教頭先生」の頭の中を公開します!

- 生徒・保護者そして自分のため。
- 自分の考えを客観的に捉え、言語化するため。
学級通信に学年通信、学校だよりなど、学校からいろいろな通信が出されています。この通信って、どうして出すのでしょうか?
まず思いつくのは生徒を認める場です。
給食準備での出来事や掃除でのがんばり、他の教科担当の先生方から聞いたちょっといい話等々、生徒に伝えたい内容はたくさんあります。
でも伝えたい事には賞味期限があります。
中学校では教科担任制のため、クラスの生徒と接する時間は思いのほか少ないです。月曜に聞いたことを金曜に伝えても、その効果は10分の1以下です。
終わりの学活などで、口頭で伝えることもできますが、その時間も限られています。そこでおすすめなのが学級通信です。
口頭ほどリアルタイムではありませんが、情報量は数倍です。
生徒にとっては、通信に自分の名前が書かれているとうれしいものです。またクラス全体のことも書きやすいです。行事前には通信の効果は絶大です。

次に日頃の学級の様子を保護者に伝えるためです。
保護者にとってみれば、学校はまさに閉ざされた空間です。
子どもから日頃の様子を聞ければいいですが、思春期の男子なんかはそんな会話も激減します。
保護者は知らないことに対して、手に入る情報だけであとは想像するしかありません。この想像が時に妄想にまで膨らんでしまうこともあります。
今のクラスの様子が書かれた通信は、保護者の安心の材料になります。

最後に自分の考えを客観的に捉え、言語化するためです。
通信を書くことは自分の能力向上にも役立ちます。
自分の考えを人に誤解なく伝えるのは、本当に難しいです。生徒も保護者も先生同士でも、お互い固定観念があります。
それを予測して、誤解につながる部分を回避して伝える必要があります。この精度を上げるには、自分の考えを客観的に捉える必要があります。
また教師は、節目に人を評価する文章を書かなければいけません。
これは普段文章を書いていない人には、ひときわ難しい業務になるでしょう。文章力は一朝一夕では身につきませんから。
文章力を向上させるために「通信を書かなければいけない。」というわけではありません。ただ文章力は教師である以上、向上させていく必要があります。
自分の考えを文章にする過程は、自分の考えをまとめる作業です。
考えがまとまれば、生徒に分かりやすく説明することもできます。それは授業の分かりやすさにも直結する力です。プリントを作る時にも効果が発揮されます。
文章力を向上させる方法はいくらでもあります。自分がやりやすいやり方で、取り組んでみてください。
その活動はまさに「自己投資」です。筋トレと同じで、意識して行えば効果は大きくなります。
30代のころ、よく「授業3割、生指3割、クラブ4割!」と思っていました。
でもこの中に「自己投資」を1割でも入れておくべきだったと、40半ばになってやっと気が付きました。
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