61.教頭先生へ ●離任

教頭の役割

3月末になると次年度の人事が発表されます。たとえ3年プランで業務改善に取り組んでいたとしても、否応なく異動しなければいけない時もあります。

教頭が異動と言うことは、新しい教頭先生が来るということです。現任校での業務の引継ぎは万全ですか

こんにちは。BigWaveといいます。公立中学校の現役教頭です。奇妙な生態を持つ教師「教頭」。そんな「教頭先生」の頭の中を公開します!

  • 何でもやってくれる教頭先生が一番の課題

初めて教頭になった時のことを覚えていますか?

教頭職の一番の繁忙期は4月です。学校業務と教育委員会からの事務作業が相まって、次々に押し寄せてきます。

新米教頭先生にとってみれば、初めての役職で、慣れない職場で、赴任していきなり一番忙しい時期を迎えることになります。

少しでも負担を減らすために、今のうちからできることって何でしょうか?

新米当時、私がとてもありがたいと思ったのは、年度初めの業務をリスト化してもらったことです。

教頭職の業務を全てリスト化することはおそらく不可能です。でもたとえ4月の繁忙期だけだとしても、リスト化してもらっていると、とりあえずすべきことが分かるので安心感があります。

何度も転勤したことがあっても、赴任する教頭先生にとって頭が痛いのは、データや施設の場所が分からないことです。

ですから「14 時間の作り方 その2」で書いたように、作業や場所に名前を付けておくのも、新しい教頭先生の負担を軽減します。

特にデータは統一性を持って名前を付けて管理しておかないと、欲しいデータが分かっても探し出すのに多くの時間がかかってしまいます。

加配などの申請書は、昨年度中に作成して教育委員会に提出しています。そのデータは新年度の計画書作成に不可欠です。

また教職員の勤務管理についても4月1日から関係する業務なので、事前の引継ぎが大切です。

色々と対策を練れば、より上手く引継ぎができるようになります。でも、もしあなたが「何でもやってくれる頼りがいのある教頭先生」なら、新しい教頭先生にとってはそれが最大の負担になってしまいます。

「44.人に仕事が付くリスク」で人に仕事が付くリスクについて書きました。

教頭先生が仕事を受け入れてばかりで、仕事を先生方に振っていなかったら、教頭先生に紐づいた仕事がたくさん生まれることになります。

先生方にとってみれば、知らない・難しい・ややこしい仕事を引き受けてくれるのですから、その教頭先生は「良い教頭先生」になるでしょう。

それが当たり前になってくると、始めから「ややこしいので教頭先生に任せておこう。」と思う人も少なからず出てくるでしょう。これでは業務に対する主体性責任教頭先生がとってしまうことになります。

また学校全体から見れば業務の集中が起こることになります。役割ではなく人に仕事が付いた場合、その人がいなくなると現場は一気にパニックになります。

その仕事をする人がいなくなるからです。もしかしたら、その仕事があること自体、忘れ去られているかもしれません。

その状況で教頭先生が変わるとなると、4月当初の一番忙しい時期に、パニックになった状況にも対処することになります。

それが新米の教頭先生なら、かかる負担は想像を絶します

もちろん、そんな時は校長先生の出番です。でも、これまで教頭先生が仕事を一手に引き受けてきたことに問題意識を持っていなくて何も行動していなかったとしたら、この難題に上手く対処できるとは思えません。

もし現教頭先生が業務を一手に引き受けているとしたら、11月現在でできることは、少しでも業務の再分配を進めていくことです。

単なる方針の転換としてではなく、持続可能な職員室の構築に向けて、抜本的な意識の転換も含めて、業務改善を進めていく必要があります。

管理職は最短で1年で異動する可能性もあります。4月から業務をこなしながら、引継ぎも念頭に資料作成・管理・人材育成・業務改善を進めていければ最高だと思いませんか?

異動がなかったとしても、その1年の準備は来年のあなたを大いに助けてくれます。

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