二学期になって、高校の先生の中学校訪問が増えてきました。進路選択がいよいよ本格的になってきました。
大阪の公立高校は定員割れが続くと統廃合の対象になることもあって、最近は公立高校の先生の中学校訪問も増えてきました。
そんな中、気になるニュースを最近よく目にします。
こんにちは。BigWaveといいます。公立中学校の現役教頭です。奇妙な生態を持つ教師「教頭」。そんな「教頭先生」の頭の中を公開します!

- 「高卒より大卒」は本当か?
読売新聞オンラインで高卒採用が増えてきているという記事を読みました。
「人手不足の中、人材を高校生に求め出した。」と言った内容です。2023年度の高卒の求人倍率は昨年度1割増しの3.98倍。工業高校卒に至っては、20.6倍の求人倍率になったそうです。
また、2024年8月25日の朝日新聞では、「大卒と高卒の給料差を無くした会社も出ている」と書かれていました。
一般的に高卒より大卒の方が初任給が高いです。ちょっと調べてみると、令和元年では大卒で21万円、高卒で16万7千円なので、その差は4万3千円。生涯年収で5000万円ほどの差があるそうです。
一方で、東大が学費を10万円上げて年間約64万円にしました。公立の大学でも今後は4年間で256万円。私立大学なら文系で400万。これは学費だけの金額なので、4年間の大学生活を送るならもっとお金が必要でしょう。
今は国が率先して投資を推進しています。もし4年間の大学生活で必要なお金をNISAで運用すればどうなるのでしょうか?
金融教育をしっかり受けた高卒の人が、卒業後すぐに就職してNISAを始めたらどうなるのでしょうか?

大学に行かないと学べないことも多いです。大学に行かないと取れない資格もあります。4年間の学生生活で自分探しがしたい人もいるでしょう。
でも「大卒の方がお金を稼げる。」というのは、一般論ではなくなっていくでしょう。今回の記事のように、大卒と高卒の給料差が無くなれば、高卒の方が生涯収入は高くなるかもしれません。
今でもそうですが、これからはさらに大学に行く理由を真剣に考える必要が出てきます。「生涯年収が高くなる。」と言うメリットが怪しくなってくる中で、何の目標も持たずに出すには、400万+αはちょっと多すぎます。
よく聞く「終身雇用崩壊」や「ジョブ型雇用」も考えると、進路選択はますます主体性が求められていきそうです。
進路指導においては、生徒に自己決定させることが大事でしたが、その傾向はさらに顕著になっていくでしょう。
学校関係者として、また一人の親としても、世の中の流れに取り残されないように、普段から広く学んでいく必要があるなと感じています。
コメント