担任時代にクラスで「居心地のいいクラス」を掲げてきました。居心地のいいクラスなら誰にとっても行きたいと思えるクラスになれると思ったからです。
教頭になり、職員室にも「居心地の良さ」が必要だと考えていました。でも色々と学ぶうちに「居心地の良い」には落とし穴があると知るようになりました。
こんにちは。BigWaveといいます。公立中学校の現役教頭です。奇妙な生態を持つ教師「教頭」。BigWaveのアジトはそんな「教頭先生」の頭の中を公開する教頭ブログです。

→居心地がいいだけでは成長できない
担任時代に掲げていた「居心地のいいクラス」は、誰にとっても安心していられる空間を指していました。
もちろんそれはそれでいいのですが、当時はそれ以上のことは考えていませんでした。「一期一会で集まったクラスメンバーとの人間関係作り」とか「不登校の子が学校に来やすいように」と言ったことしか考えていませんでした。
その後にGoogleの心理的安全性に関する報告を知って、居心地がいいだけでは成長につながらないことに気が付きました。
学校としてはもうすでに「集団づくり」や「協同学習」に取り組んでいました。先輩方の真似から始まり、自分自身も率先して取り組むようになり、経験則も積み上がっていきました。
そのタイミングで「心理的安全性」を知り、他者理解をはじめ、社会性や協調性・互恵的関係性・そしてリーダーシップ育成に至るまで、「居心地のいいクラス」が土台となって成り立っていると気が付きました。
そして教頭になった後に、「コンフォートゾーン」「ラーニングゾーン」」「パニックゾーン」の考え方を学びました。「コンフォートゾーンにいるのは心地良いけど学びにはつながらない。学びは少し外にあるラーニングゾーンで起こる。」というやつです。
私が担任時代にイメージしていた「居心地がいいクラス」はここで言うところの「コンフォートゾーン」のことでした。自分の経験と論理的な理解が結びついて、目からうろこでした。
そして「コンフォートゾーンからラーニングゾーンへの行き来は、心理的安全性の向上が不可欠」と理解すると、頭の中が非常にスッキリと整理できました。
そんな感じで、クラス担任時代から教頭になった今でも、クラス内や職員室内のメンバーが成長するにはどうすればいいのかを考えてきました。
担任時代に「居心地のいいクラス」を目指していましたが、今は「職員室が居心地がいいコンフォートゾーンであり、ラーニングゾーンでチャレンジできる心理的安全性がある状態」を目標にしています。
チャレンジすることについてもう少しお伝えしたいことがあります。
心理的安全性があるという状態は「話しやすく、助け合えて、挑戦できて、新しいことを歓迎できる」状態と言うことです。これに加えて、もう一つ必要だと思うことがあります。それは称賛したり褒めたりすることです。
コンフォートゾーンから出ていくということは、比較的「危険」な場所に足を踏み入れるということです。多少のリスクを負わないと学びは起こらない訳です。そのリスクを軽減するのが、心理的安全性の向上です。
でも多少リスクが下がったとしても、わざわざ危険な(居心地がよくない)場所に行く人はいないです。まして子どもなら、しんどい場所に行って自分の成長を実感する経験が少ないので、コンフォートゾーンを出ることにメリットを感じないかもしれません。
あえて居心地がよくない場所に出ていくには、まずその意味(特にメリット)をしっかり理解する必要があります。「まずはやってみたらいい。」では動けません。子どもならなおさらです。
授業改善や校則改正に不安を感じるのはこのためです。

リスクを冒してチャレンジする意味を共有した結果、チャレンジする人が現れたら称賛したり褒めたりすることが大事です。ただし、上手くいったことだけを称賛したり褒めたりするのは逆効果です。
そのチャレンジが失敗であれ成功であれ、「思い切ってやってみた。」その行為そのものを称賛したり褒めれば、次の挑戦につながるはずです。
成功したものは称賛し、失敗したものは称賛しない、なんなら冷ややかな目で見られるのなら、一生古い価値観に縛られることになります。VUCAの時代を生きていくには、常に新しい価値観を更新していかないといけません。
ラーニングゾーンでどんな自分に出会えるのか、それをできるだけ具体的にイメージできればチャレンジする人も増えそうです。そのイメージを伝える私たちが、まずはコンフォートゾーンから抜け出す必要があります。
と、担任時代の自分に言いたいです。