みなさんの職場で若手の先生方は成長していますか?経験豊富な先生方は、専門性向上・自己研鑽に励んでいますか?
もし今ある経験や知識に頼り切っているのなら、その職員室に成長はありません。
世の中の変化に対応しながら、これからの世の中に適応できる学校になるには、教職員の成長が欠かせません。どうすれば大人も成長できる学校にすることができるのでしょうか。
こんにちは。BigWaveといいます。公立中学校の現役教頭です。奇妙な生態を持つ教師「教頭」。そんな「教頭先生」の頭の中を公開します!

→信じて委ねる
学校現場では子どもたちの学びについては、多くの時間を掛けて取り組んでいます。でも一方で、先生方の学びについてはどうでしょうか?
まだまだ若い先生は増えていきます。中途採用で教師になる人も増えるかもしれません。
教師としての総合的な力を向上させるには一朝一夕では不可能です。でも特定の分野での専門性向上なら、今すぐにでも始められます。
私自身、40歳を超えてからですが、大きく成長できたなと思う出来事がありました。
2020年2月からコロナによる臨時休業が始まりました。GIGA端末も未整備の中、どこの学校も生徒とのコンタクトに試行錯誤・四苦八苦されたと思います。
そんな中、職員室では友達ともなかなか会えない子どもたちに向けて、「先生たちは元気だよ!みんなを待っているよ!」といったメッセージを届けたいという思いがありました。
その思いを実現するべく、生徒への情報発信のツールとして学校独自のYouTubeチャンネルを作りたいと思いました。校長先生に相談したところ、すぐにGOサインをもらうことができました。
作りたいと言っても知識は全く無かったので、一から調べて手探りで運営していきました。いろんな先生がコンテンツを作成してくれて、それまでは考えもしなかった世界を体感しました。
さらに、YouTubeという手段を手に入れたことで、学校での授業の補助として、文法の解説動画や英語の基礎表現動画などを授業の進度に合わせてアップしていくという授業スタイルができました。
これは当時の校長先生が教員に業務を委ねたことで、その教員が大きく成長できた事例です。今思えば、知らない分野でリスクも想定できたと思うのですが、許可を出してもらえたことに感謝しています。
この経験もあって、先生方の専門性を大きく向上させるには、先生方の興味・関心を踏まえて業務を委ねることが一番効果的だと考えるようになりました。
これまで多くの業務を先生方に委ねてきたつもりなのですが、今年度特に感心させられたことがありました。
今年度、ICT関連の利活用について、新卒2年目の先生に運用をお願いしました。昨年度から同勤している方で、ICT関連の能力が非常に高いと感じていました。
昨年度とても苦労したデジタル教科書導入やAIドリル導入について、今年度は全て任せることができました。昨年は教頭業務との同時進行で行っていたので、私としても大助かりでした。
新しいAIドリル導入についても、アカウントの登録・運用はもちろん、夏休みには先生方向けに活用方法の研修も実施してもらえました。今後のICTの利活用についても、色々と挑戦して先生方の視野を広げていってもらいたいです。
生徒指導や教科指導などはこれまでの経験が大きいですが、ICTの運用や利活用などの新しい分野は、若手の先生方も先頭に立って活躍しやすい分野だと思います。

これは人材育成と教頭業務の軽減を両立できた事例ではないかなと思います。当人にとっても、この経験が今後の専門性向上の一助となってくれたらと願います。
適材適所と言えるほど業務内容に対して人数はいないのですが、見守りながらも業務を委ねることで、先生の成長や専門性向上につなげることができます。加えて、業務の再分配も行うことができれば最高です。
コメント