76.先生はみんなマネージャー

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マネージャーは一般的に管理職を意味します。学校には管理職として校長と教頭がいます。他に管理職と一般教員の間に主幹教諭や指導教諭がいる学校もありますが、基本的には管理職と一般教員に分かれます

管理職は学校経営を担い、組織作りや目標達成への支援を行います。一方の一般教員は学級経営や教科指導など与えられた業務を行います。管理職と一般教員とでは仕事内容が違います。

と思っていたのですが、最近少し考えが変わりました

こんにちは。BigWaveといいます。公立中学校の現役教頭です。奇妙な生態を持つ教師「教頭」。そんな「教頭先生」の頭の中を公開します!

  • やっていることは同じ

管理職の主な仕事はマネジメントをすることです。目標の設定・業務の統括・進捗の管理・勤務の管理・業務内容や業務量の管理・人材の育成など、俯瞰的な立場から学校運営を行います。

いかにも管理職って感じの業務内容ですね。

でもこれって、じっくり考えてみると、担任の先生がクラスでしていることと似ていると思いませんか?

1.目標の設定
学校には校訓や教育目標、めざす子ども像などいくつかの目標があります。同じように、クラスや委員会活動、部活動でもよく目的を設定します。「みんなが居心地のいいクラス」とか「地区大会優勝!」などです。

みんなが目指す目標を設定し、全員で行動することで実現に近づけていきます。4月当初に目標を設定したものの徐々に形骸化、なんてことになりがちな所も似ています。

2.勤務の管理
一般企業の管理職と違い、学校管理職は残業代に関わる勤務管理は、一部を除き行いません。人事権もありません。任命に伴う事務手続きと出退勤管理などが主な内容になります。

先生方も生徒の出欠・遅刻・早退について出席簿上で管理します。家庭から連絡が無ければ家庭連絡を行い、欠席が続くと家庭訪問を行います。不自然に休みが続く場合などは、いじめ被害や最近ではヤングケアラーの可能性を視野に対応します。最終的に生徒の生存確認のため、保護者と粘り強い交渉をするケースもあります。

3.人材育成
この10年ほどで、先生方の平均年齢が一気に若くなってきました。経験がある教える側の人数が少なくなり、「見て学ぶ」ことが難しくなってきています。また業務内容の多様化や隙間時間の減少により、教わる時間も減少しています。

そんな中でも業務の質を確保するために、これまで以上に意図的に教師が学ぶ場を設定する必要が高まっています。積極的に責任を持ってもらい、裁量権も与え、自己決定できる環境のもと業務を遂行し、成功体験を積んでいける体制が必要です。

人材育成は教師の専門分野です。クラスはもちろん、委員会活動、クラブ活動などでも責任感の育成自己決定感の向上成功体験の積み重ねが実現するよう、担当教員は試行錯誤しています。集団づくりや生徒会活動を通して、リーダーの育成にも時間と労力を注いでいます。

また授業でも生徒が「主体的・対話的で深い学び」を行えるよう授業改善が求められています。一昔前は教師主体の授業改善が長らく進められていて、いかに分かりやすい授業を行うかといった「教え方」に主眼が置かれていました。

しかし今は生徒の「学び方」に主眼が置かれています。生徒がこれからの予測不能な時代に対応できる力を獲得できるような授業が求められています。

以上3点だけですが、「教師はみんなマネジメントをしている。」ことについて考えてみました。

時折、学校は鍋蓋型組織と言われることがあります。でも実際のところ、学校業務は多種多様すぎて、全てを管理職が管理することは不可能です。

それぞれの先生方が、各々の担当場所でマネジメントしているからこそ、学校は成り立っているように思います。

管理職がやっていること先生方がやっていることは、対象は違えどしていることは似ていると思いませんか?

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