今年度、研修のマネジメントについて学ぶ機会がありました。
最近、世の中の変化が激しいです。この時代の流れを教師が主体的に学んでいくのと同時に、校内でも協働的に学びを深める研修の必要性が増していると感じています。
でも研修にいいイメージを持っていない方がいるのも事実。参加者全員がワクワクするような研修するにはどうすればいいのか?前回に引き続き、試行錯誤してみました。
こんにちは。BigWaveといいます。公立中学校の現役教頭です。奇妙な生態を持つ教師「教頭」。BigWaveのアジトはそんな「教頭先生」の頭の中を公開する教頭ブログです。

→研修=授業
結論から言うと、研修=授業です。教師が学ぶ研修と生徒が学ぶ授業。同じ構造です。そう考えるととてもシンプルですっきりします。普段やっていることを応用すればいいのですから。
一昔前の研修は前に立つ講師の方が一方的に知識を発信し、それを受け手が延々と聞き続けるといった形が定番でした。そこで語られる呪文のような解説には、多くの場合、そして多くの人の場合、ラリホーと同じ効果が…。
多くの人に浅く新しい知識を与えるという意味では、効率が良いのかもしれませんが、よほど感銘を受けない限り、使える知識にはなりませんでした。
研修は教師に向けての授業なので、「主体的・対話的で深い学び」があるものにしていきたいです。

ではどうすれば、そんな研修(授業)にすることができるのでしょうか?
周りに授業が上手い先生はいませんか?授業が上手い先生は間違いなく研修も上手いです。そんな先生に、参加者が自分事としてアクティブラーニングできる研修の企画に参加してもらえれば、とても心強いです。
もともと研修=授業のイメージは持っていたのですが、今年度受けた研修で確信を持つことができ、より具体的な流れも学ぶことができました。
たまたま所属する自治体内の小中学校の教頭先生向けに研修ができる機会を得たので、この機を今年度の集大成とすることにしました。
1.研修参加へのモチベーション向上
研修前に知らされることって、だいたい研修のタイトルと講師の名前くらいです。少し前に行われた近畿教頭会では講師が妹尾昌俊さんでした。さすが近畿!即参加を決断しました。
ただ、講演の中身はよく分かりませんでした。妹尾さんだからライフワークバランス関係の話かな?くらいです。
校内研修では「教務主任の研修だ!イエ~イ!」とはなりません。ここで大事なのはいかに参加者のモチベーションを高めるかです。モチベーションを高めるには、研修内容をどれだけ自分事にできるかにかかっています。
チャンスは研修までの準備期間です。
そこで、研修は1月だったのですが、事前のアンケートを11月に行いました。内容はシンプルに「どんな内容の研修を希望するか。」です。選択肢は「研修は必要ない。」も入れた7項目で2つまで選択可能にしました。
結果は、「業務に使えるICT」が52.9%、「教頭の業務上の困りごと」が47.1%で圧倒的な2トップとなりました。他にも「業務改善のノウハウ共有」「管理職のマネジメント」などにも票が入っていました。「研修の必要はない」は0%でした。
これで教頭先生方のニーズが把握でき、研修の大まかな流れを決めることができました。具体的には、
・Google Chatを使った業務改善
・協働的な課題解決
・NotebookLMの可能性(116,117)
の3つを盛り込むことにしました。教頭先生方としても、自分の意見が含まれていると感じられる内容になっていると思います。中身が分からない研修と比べ、グッと主体性が向上するはずです。
加えて、さらにモチベーションを高めるために、1月に入ってからもう一度アンケートに答えてもらいました。
今回は、記名してもらった上で、解決したい課題の有無とその内容、興味がある分野(グループ分けに使用)を回答してもらいました。
興味がある分野ごとのグループ分けのリストと共に、研修の流れを研修前に教頭先生方と共有しました。これで参加する意義付けにもつながったと考えています。
一方的にこちらが伝えたい内容を主体的に理解してもらうのはかなりハードルが高いです。心理的・距離的に遠い出来事を自分事として理解するのは、とても難しいです。伝えたい内容を自分事にしてもらうには、いかに自分の人生につなげていくかにかかっています。
どうやって自分の人生につなげていくかは、教科指導はもちろん、特に道徳や人権学習、キャリア学習で、これまで何度も試行錯誤してきたことです。その経験は教師の研修でも活きてきます。
2.使える知識の伝達
研修は3部構成にしました。第1部は「Google Chatを使った業務改善」です。Google Chatによる学校を超えた教頭間の非同期コミュニケーションは、電話対応や個別対応から解放されるので、業務の効率化に大きく貢献します。
このセクションでは先行実施されている学校の教頭先生に体験談を語っていただきました。自分たちの仲間の体験談なので、より身近に感じられたと思います。
第2部は「協働的な課題解決ワークショップ」です。教頭が抱える課題の解決を、一人ではなく同じ立場にいる複数の教頭先生と協働的に解決してく経験は、さらなる業務改善につながるかもしれません。
グループ単位で50分間活動してもらったのですが、時間が全然足りなかったです。
第3部は「NotebookLMの可能性」です。最後にNotebookLMの便利さを体感してもらいました。生成AIを使ったこれからの業務改善への可能性について、共通認識のもと建設的な話が広がっていけばと願っています。

4.協働的な学び
教頭は一人職なので、その立場で抱えている課題に対し、同じ目線で対話できる人が校内にいません。そんな中、教頭同士で課題を共有し解決していくプロセスは、大きな刺激になるはずです。今後の発展的な取り組みにつながってくれれば最高です。
5.眠くならない研修
これだけ動機付けをして協働的な活動を組み込めば、眠る暇は無くなります。
と言うことで、自分自身がこれまで授業づくりで取り組んできたノウハウと、漠然と抱いていた研修の改善、そして今年度学んだ研修観の転換の集大成として、教頭先生に向けた研修を行いました。
事後アンケートを見ると、研修の満足度は93%でした。個人的にも非常に達成感がある研修になりました。
次の目標は、この新しい研修観を校内で浸透させていくことです。やりたいことは大きく2つ。若手のミドルリーダー育成と、各分掌に研修担当を設定し研修のための研修を開くことです。