106.教頭先生へ 教頭の職務

教頭先生へ

みなさんはこれまでどんな校長先生・教頭先生とお仕事されてきましたか?

「さすが管理職!」と思わず唸るような対応もあれば、「いないのと同じ」と落胆したこともあるかもしれません。

もし自分がだったら、どんな「教頭先生」になりたいですか?

こんにちは。BigWaveといいます。公立中学校の現役教頭です。奇妙な生態を持つ教師「教頭」。BigWaveのアジトはそんな「教頭先生」の頭の中を公開する教頭ブログです。

→本質はマネジメント

最近、管理職試験も早まってきていると聞きます。もうすでに管理職試験の合否が分かっている方もいるいらっしゃるでしょう。来年4月には教頭になるかもしれないと考えると、「教頭って具体的に何をするの??」と疑問が膨らんでいるのかもしれません。

法律で定められている教頭の職務については、教頭試験で頭に叩き込まれたかと思います。でも、「だから何するの?」って感じなのではないでしょうか。

教頭の業務は自治体や地域、そして学校、校長先生ごとにかなり違うので、具体的に伝えるのは難しいです。ただ、管理職というマネジメントをする側に立つので、教員とは違う視野と考え方を持つ必要があります。全く別の職業と言っても言い過ぎではないくらいです。

今、職員室にいる教頭先生はどんなイメージですか?またはあなた自身、教頭として先生方にどんなイメージを持たれていると思いますか?

毎日教頭として働く中で、一番時間がとられるのが事務作業です。教頭は教育委員会と学校現場をつなぐハブ的な立ち位置にいます。

委員会から来た通知に対し、集約・集計したり、調査に回答したり、先生方に出張依頼をしたり、校長先生の判断材料を作ったり、修繕依頼、アレルギー対応、電話の取次ぎ、クレーム対応等‥、机上で行う業務が無限に湧き出てきます

でももし、先生方が「教頭先生は職員室の前に座って、ひたすら事務作業をしている」といったイメージを持っていたとしたら、それはあまり良い管理職像ではありません

先ほど述べた事務作業の中には、本来なら教頭が行う業務ではないものもあります。それらの業務に従事する人材がいないので、仕方なく教頭が請け負っている業務です。

教頭が仕事を請け負うのは簡単です。先生方の負担を軽減しているとも受け取れて、良いことのように聞こえます。でも一方で、学校運営における先生方の専門性の向上が阻害され、持続可能な職員室にとっては弊害となります。

本来の教頭の業務はマネジメントです。

学校の教育目標を達成するために、先生方が自己研鑽・自己成長できるマインドセットと同僚性を醸成できるように、人や環境に働きかけることです。

持続可能な職員室になるためには人材育成が必須です。そのためには時間がかかります。その時間を生み出すために、「業務の再分配」や「業務の効率化」なども教頭の職務だと捉えられます。

自分でできることなら自分でした方が効率的です。でも人を育てようと思うと、あえて委ねていく必要があります。時間もかかります。そういった意味で、何でもやってくれる「頼りがいのある教頭先生」は、もしかしたらマネジメントの視点を見失っているのかもしれません。

みなさん「部下を持ったらいちばん最初に読む本」(橋本拓也著)を読んだことがありますか?つい先日、目にする機会があり読んでみたのですが、非常に学びが多い本でした。

一般企業の管理職向けの本なのですが、もちろん学校管理職にとっても大事なことが書かれています。教頭になった5年前に読んでおきたかったです。

「なるほど!」の連続なので、まだ読まれていない方は今すぐお読みになることをお勧めします。このブログで書かれていることの100倍はためになります

とは言え、一般の管理職には無い学校管理職の悩みもあります。教頭の現実についてはまた今度、紹介したいと思います。

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