65.講師の先生にかかる負担

職員室での働き方

みなさんの職場で欠員はありませんか?

最近、教員の労働環境が公になる中で、労働環境が少しずつですが改善され始めました。

まだまだ課題も山積みですが、「教師なら当たり前」の時代から考えると100万倍マシです。

でも一方で、労働環境が公になることで、教員を希望する人の減少が止まらない状況も生み出しました。

年度始めですら欠員が出る状態なので、年度途中の補充などほぼ絶望的になっています。そんな惨状に加え、最近講師になるためのハードルがさらに増えています。

こんにちは。BigWaveといいます。公立中学校の現役教頭です。奇妙な生態を持つ教師「教頭」。そんな「教頭先生」の頭の中を公開します!

  • ICT化で難易度増

この4月に違う自治体で働き始めました。慣れるまでかなり苦労しました。

そんな中、一番苦労したのはICT環境の変化でした。以前の自治体ではMicrosoft365を使っていましたが、今の自治体はGoogleのWorkspaceです。

着任直後の4月は、クラウドへのデータの保存方法データの共有の仕方も全く分からず、とても苦労しました。エクセルからスプレッドシートへの変更は今でも苦労しています。

教頭職は時間割に縛られないので、自分で1日の業務内容や流れを決めることができます。着任直後はICTへの対応に時間を大幅に割いて、なんとか業務をこなせるようになりました。

でも先生方は違います。4月1日の着任から始業式までは年度初めの怒涛の会議があります。そして始業式後はすぐに授業が始まります。

その授業が始まるまでに1年間のカリキュラムを決定し、1コマ目の授業開きで年間の目標と予定評価方法などを生徒と共有できるよう準備しないといけません。理想ですけど…。

「主体的・対話的な学びを普段の授業でいかに実現していくか?」も大きな課題です。

それに加え、赴任した学校が使っているICT環境への対応は、まさに目の前の業務に直結する喫緊の課題になります。

「以前iPadを使っていたけどChromebookになった」

それが分かった瞬間、かなりの絶望感です。あと1週間で授業が始まる。それまでに学ぶことは山のようにあります。分かっていないことを見つけるところからスタートです。

GIGAスクールが始まる前なら、コピーの仕方や輪転機の使い方が分かれば、なんとかスタートできました。でも今は違います。

校務と授業のプラットフォームの違いやデータの共有ツール、提出物の配付・回収方法、授業でのデジタルツールの使用方法など、授業が始まるまでに確認しなければならないことが山のようにあります。

PC関係にかなり長けた人なら対応できるかもしれませんが、多くの人にはかなりの無理難題です。まして年度途中の任用なら、着任したその日から他の教員と同じスキルが求められます。

教職現場の「人材育成に掛けられる時間がほぼ皆無」という難題も合わさってきます。「新人さんだから、まずはこの業務を覚えるところから。」といった発想ができません即最前線です。

常勤講師でさえかなりのハードモードですが、これが非常勤講師になるとさらに難易度が上がります。

非常勤講師は授業をしている時間しか給料が発生しません。業務に必要なスキルの伝達はいつ行えばいいのでしょうか?

知ってか知らずか、こんな現場に来てくれた講師の先生たちには感謝しかありません

そんな先生たちが過度の負担を感じることなく、教育活動に専念できるようになるには、現場のサポートが必須です。

とは言え、人材育成に使える時間もお金も確保されていません。この「校務・授業に関するハードル×ICT=巨大な壁」を乗り越えるために、どんなサポートをすることができるのでしょうか?

教師になった瞬間、必要な能力が与えられるわけではありません。教師も成長する時間が必要です。

人材育成ができる時間が欲しいです。

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