次年度に向けた校内人事で、誰に担任をしてもらうか悩んでいませんか?
「今はまだ8月。校内人事なんてまだ先の話。」確かにそうなのですが、実際に校内人事を決定する3月に、「担任をお願いする人材が足りない!」とならないように、今からしておくべきことがあります。
こんにちは。BigWaveといいます。公立中学校の現役教頭です。奇妙な生態を持つ教師「教頭」。そんな「教頭先生」の頭の中を公開します!

→担任育成だけでいい?
講師の先生方が通常業務をこなしながらも、いよいよ教採本番を向かえています。みんな合格してほしい!ただ、今いる自治体では新規採用となると学校が異動になるので、少し複雑な気分です。
自治体によっては講師でも担任をガンガンしているところもあります。そんな担任経験豊富な講師の先生が無事教採に合格し、次年度に異動となれば、担任交代ということになります。
同一校での勤務年限で異動となる方もいます。本校では今年度、担任11名のうち5名が交代しました。
次年度も残る先生のうち、経験豊富な方には各部の長や学力向上担当、生徒指導主事をお願いしなければいけないので、次の担任候補は新たに来られる先生方から選ぶことが多くなります。
他校から異動されてくる担任経験がある先生には、安心して担任をお願いできます。でも一方で、着任される先生が担任経験が無いとか、他の自治体からの異動で情報が無い、新卒で新採、新卒で講師となると、担任を任せていいのかどうか全く分かりません。
ここで出てくるのが、「担任いない問題」です。
そもそも、「担任を任せられる人」って、どんな先生なのでしょうか?
すでに担任をしていて、上手く学級経営ができている先生は、「担任を任せられる人」の筆頭に上がります。上手く学級経営ができているかは置いておいて、少なくとも担任業務経験者なら、担任候補になります。
今年度の担任の先生が全員残って、次年度も担任を担うことなんてありません。必ず数名は交代することになります。その時、担任経験者が異動して未経験者が入ってくることもあります。
そうすると、次の担任候補はすでにいる先生の中から選ぶことになります。でもその先生たちは担任経験はありません。
こういった負のスパイラルに陥らないためにも、今からしておかなければいけないことがあります。それは人材育成です。特に今回は担任育成になります。
担任業務と副担業務のように完全に業務分担してしまうと、次の担任候補が育ちません。担任をしないと担任業務が経験できないのなら、一生次の担任は育ちません。
業務の分担は大事ですが、定期的に業務を入れ替えて、担任・副担のどちらの業務でも経験が積めるのが理想です。
担任王国を築きたい先生は少しモヤモヤするところがあるかもしれませんが、5年後・10年後の担任メンバーを想像すれば、今しておかなければいけない事も理解してもらえるかもしれません。
学校組織として担任育成を掲げ、管理職・学年主任はもちろん、担任の先生にも次世代の担任育成を視野に入れて、他の先生が学級活動に入れるように声をかけてあげてほしいです。
担任業務をどの先生も担えるようになれば、他にもメリットがたくさん出てきます。
教職員に子育て世代が増える中、急なお休みを取る場合も安心して任せることができます。朝連絡があっても、教師全員がやることが分かっていれば、対応にドタバタすることもありません。
午前担任・午後担任と分担するのも面白いかもしれません。担任の立ち位置にいる先生の数が増えれば、子どもたちを見る目や見る角度も増えることになります。
そう考えていくと、一人の先生を「担任」として固定する必要も無いように感じます。
子どもの微妙な変化にすぐ気が付く先生、生徒指導の対応に長けた先生、子どもの話をじっくり聞ける先生、生徒の集団づくりが得意な先生など、それぞれの先生の力を、クラスに固定されずに全ての生徒が享受できる態勢を考えると、固定担任制では物足りないです。
教師の多様性を最大限に活用するなら、全ての先生が全てのクラスに関わりやすいチーム担任制の方がいいと思います。

校内人事を最終決定する3月になって、「担任を任せられる人がいない。」となっているなら、それは年度中に種をまいて育てていなかったからです。
担任育成、チーム担任制、その他の方法いずれにしても、「担任いない問題」を無くすためには、早い時期から先生方と課題を共有しておく必要があります。
そういう意味で、夏休みは絶好のタイミングだと思います。
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