みなさんの学校は築何年ですか?
新設された学校や建て替えられた校舎と逐50年以上の校舎、この間には校舎の古さ以上に大きな違いがあります。
8時間以上過ごす空間です。その違いによる影響は侮れません。
こんにちは。BigWaveといいます。公立中学校の現役教頭です。奇妙な生態を持つ教師「教頭」。そんな「教頭先生」の頭の中を公開します!

→修繕箇所は職場内の人間関係に大きく影響する
私は現在、築56年の校舎で仕事をしています。開校以来、大規模改修は行われていないので、いろんなところに不具合が起こっています。
前任校は創立70周年を超えるのですが、2009年に新校舎が完成し、2017年に新しい体育館とプール、2023年には古い校舎の大規模改修を終えていました。ちょうどそのタイミングでの着任でした。
新しい校舎と古い校舎。やっぱり快適さが違います。まず気が付くのは、教室や廊下の明るさです。
新しい校舎の光源は全てLEDです。明るさもさることながら、校舎の壁が汚れていないので、光が反射して教室全体が明るく感じます。一方、古い校舎ではまだ蛍光灯が現役です。
新しい校舎では配管やケーブルなど、計画的に壁や天井内にケーブル類が埋没されていて、すっきりした見た目になっています。ところが古い校舎では後付けのケーブルや配管がたくさん露出しています。特に廊下がひどく、ごちゃごちゃした雰囲気が拭えません。
こういった生活しているだけで感じる「過ごしやすさ・快適さ」は、多少なりとも生徒・教師の動向に影響を与えているのではと思います。
そして古い校舎だとやはり出てくるのは修繕箇所です。
建具・家具系、電気機器系、電気系統系、上下水道系、外構系等があります。急な停電の原因究明と復旧、大雨による雨漏りへの対応、原因箇所が特定できない漏電など、頭を抱えるような事案も発生します。
授業に直接影響がある空調や照明器具の故障には特に気を使います。授業に影響が出るので、先生方もピリピリ・イライラしています。ここで先生方からの報告を軽く受け止めると、その後の人間関係にも影響してきます。
先生から報告があったら、手元の仕事はいったん置いて、すぐにカメラを持って、その先生と一緒に現場確認に向かいます。そしてその場でぜひ先生の困り感を受け止めてください。これだけでも先生のピリピリ・イライラ感が軽減されます。
そしてその後は、早急に教育委員会に修繕依頼を出し、出したことを報告してくれた先生に伝えます。教育委員会や業者から修繕の日程調整があれば、それもその先生と共有します。細かく情報共有することで、先生方は「報告して良かった」「状況が改善に向かっている」と捉えてくれます。
ところが、こちらの努力もむなしく全く教育委員会から修繕の連絡が無い場合もあります。1年間に学校で使える修繕費は決まっています。それを超えていると単純に修繕するお金が無いということになります。
教頭として、この状況が一番つらいです。次々に修繕箇所が出てきて、その対応に追われたとしても、学校業務が滞りなく行えるように奔走するつもりなのですが、お金が無くて修繕ができないと言われると、全てが止まってしまいます。
こうなった場合、全ての事情を先生方とも共有しておいた方がいいです。学校として出来ることは全てやっていると、理解してもらうしかありません。
先生方だけではありません。教育委員会はもちろん、PTAや地域教育協議会、PTAのOB会、保護司会など学校を支えてくれている方々にも、状況を伝えておくべきです。

「今、学校では壊れたところが修繕されずに困っている。」と理解してもらえれば、もしかしたら次年度の自治体の予算編成時に何かしらの影響があるかもしれません。教育委員会や自治体は、学校からの要望よりも市民からの要望に耳を傾けます。
コメント