これまで多くの校長先生・教頭先生と仕事をしてきました。情熱溢れる方やリスクマネジメントを徹底される方など、個性豊かな方々でした。
色々な方面に専門性を発揮されていたので強みはよく見えるのですが、弱みはあまり見えません。
改めて考えてみると、管理職と言えども、全ての分野において専門性を持っている方はいません。みなさんはどうでしょうか?自分の強みと弱み、認識していますか?
こんにちは。BigWaveといいます。公立中学校の現役教頭です。奇妙な生態を持つ教師「教頭」。そんな「教頭先生」の頭の中を公開します。

- 弱みもあるからみんな成長できる。
管理職としてのみなさんの強みってどこでしょうか?そして自覚している弱みはありますか?
これまで経験したことなら、自信を持って行動できるけど、ほとんど経験したことがないことについては、的確に判断する自信がない…、ともし思っているのなら、その思い込みは自分を苦しめ続けるので、今のうちに発想の転換が必要です。
私の場合、中学校なので教科の専門性があります。そして幸いなことに、担任や学年主任、教務主任などを経験させてもらえたので、それらの分野は自分の強みだと思っています。
それぞれについて一定の知識と経験があるので、これまでの経験を参考に、自信を持って行動することができます。
自分の強みがある分野では、ティーチングやコーチングを駆使して、先生方のスキルアップに貢献すればいいですし、緊急時にはより的確な指示を出すことに努めればいいです。
でも講師・教諭時代にほとんど経験したことのない分野については、適切なアドバイスは自信がありません。経験がないので当たり前です。
他教科の指導内容や会計関係、給食アレルギー対応等‥、私が弱い分野は山のようにあります。加えて、教育DXなどこれまでにない新しい分野は、もちろん経験も知識もありません。
これは校長先生も同じです。校長先生にも強みと弱みがあります。校長・教頭の強みを発揮して業務分担したとしてもカバーできない分野は必ず出てきます。これらの分野はどうすればいいでしょうか?
理想で言えば、校内にいるその分野の専門性を持つ方に任せるのがベストです。学校事務を担う事務員さんや校務員さんがそのいい例です。
その分野に強みがある方に担当してもらい、管理職はその方たちの判断のサポートに回ればいいです。そうすることで、担当者は専門性を深め、自己有用感を向上させることができ、学校運営への当事者意識も培われます。
その方たちと業務を進める中で経験を積んで、管理職も専門性を広げていくことができます。弱みを自覚し謙虚に教わる姿勢は、より良い人間関係にもつながります。
「管理職なんだから!」と責任感があるのはとても良いことだと思いますが、経験不足や知識不足なのに自信を持って指示するのもおかしな話です。
もちろん、管理職として的確な判断をしたいという思いはあります。ただ、その判断を管理職だけでする必要はありません。職員室にはそれぞれの分野で経験豊富な方々がいます。お互いの強みを出し合うことで、より良い判断ができるはずです。
誰も専門性がない分野については、外部から専門家を招聘して研修で学んだり、教育委員会に電話をしまくって、手探りで経験していくしかありません。

管理職の役割はマネジメントをすることです。自分で最適な判断を下すのは緊急時の役割の一つでしかありません。どうすれば最適な組織体制になるのか、そしてどうすれば最適な判断を行えるかを考えて実践するのがより重要な役割です。
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