文科省のガイドライン(ver.2)では、生成AIの利活用は教育委員会が主導することとしています。
とは言え、教育委員会も限られた人数で業務を行いながら、生成AI利活用の制度設計や方向性を示すなんて至難の業なのではと思ってしまいます。
教師による生成AIの利活用ですら暗中模索。これに生徒の利活用まで責任を持って指導すると考えると、鉄の塊を背負わされるような感覚に陥ってしまいます。
こんにちは。BigWaveといいます。公立中学校の現役教頭です。奇妙な生態を持つ教師「教頭」。そんな「教頭先生」の頭の中を公開します!

→学校で使わなくても、学校外では使っている。
1980年代からパソコン・携帯電話・インターネットが普及し始めました。そして2008年にその集大成ともいえるiPhoneが日本で発売されました。
それからほんの17年。スマートフォンが一気に普及し、学校現場ではネットモラルやSNS上の生徒指導が多発するようになりました。どの学校でもネットモラルに関する授業を行ったり、SNS上でもめた人間関係の修繕に時間を注いでいるのではないでしょうか。
次は生成AIです。今はまだ生徒の利活用が想定されていない自治体も、子どもたちは家で毎日生成AIに触れる生活を送っています。
もうすでに、生成AIの登場で学校での学びと家庭での学びが乖離していく状態にあります。
「その1」で書いたように、学校からの課題でも生成AIについて生徒に説明しておかないと、生徒が困ることになります。後から「生成AIは使ってはいけません!」は最悪の一手です。
生成AIの利活用について教師が一定の見解を生徒に伝えるとなると、教師は積極的に生成AIに触れていく必要があります。分からないものは説明できません。一旦、「使用禁止」と伝えるだけでも構わないと思います。こちらも勉強する時間が欲しいです。
生成AIが消えて無くなることはありません。ほんの数年のうちに、「SNSの使い方」と同じように「生成AIの使い方」を授業ですることになるでしょう。
先日、脳研修者の池谷裕二さんの講演を聞きました。お話を聴いて、教師も生成AIに真剣に向き合わないといけないなと痛感しました。
話はもう少し続きます。ほんの数年後に学校内で生成AIについて真剣に議論することになるとして、さらにその先、10年後、20年後はどうなっているのでしょうか?
技術の進歩は加速度的に進むそうです。現在、生成AIは文章入力のみから、文章はもちろん画像や音声、動画まで色々な入力方法が可能になりました。
加えて、スマホに代わるウエアラブル端末の発展やネットへの常時接続、人間以上の知識とカウンセリング力を備えた生成AI、これらが全て組み合わさったら、どんな世の中になるのでしょうか?教師の役割にも大転換が起こるかもしれません。

そしてそれらは何年後に現実となるのでしょうか?ちなみに、ほとんどの人が手のひらサイズのPCを持ち、どこからでも電話ができて、好きな時に音楽を聴き、買い物をし、ゲームをし、いつでも気になることが調べられる世の中になるのに、ほんの17年しかかかりませんでした。
今は予想もできない世の中がすぐそこまで近づいてきています。その世の中に対応できる教師になるために、今の時点ですべきことってどんなことなのでしょうか?
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